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    • 字幕原稿を自分で作られる場合のきまりと注意

      字幕には言葉の内容を視覚によってタイミングよく理解してもらうためのいくつかの基本的な約束があります。これを絶対に守らなければならないと言うことはありませんが、実際に作って行くためのポイントを紹介します。


      日本語字幕

      漢字が使える日本語は、視覚的にも文章の意味がとらえやすいので、アルファベットを使う言語より有利です。日本では吹替より字幕が好まれる要因のひとつだと思われます。1画面の文字数とタイミングには目安があります。


      ■1行12〜16文字で2行以内
      単語(特にカタカナの固有名詞)などが入る場合は、この文字数を越えてもかまいません。特に会話以外の説明文の様な文章では、さらに多くの文字を使っても問題ないでしょう。ただし、3行になることは避けましょう。
      タイミングの目安は、あまり1画面の文字が多くなりすぎると、映像のテンポに不釣り合いなものになってしまう場合があります。同じ文章を、1つの画面で出すか、2つの画面に分けるかという事は、その文章の意味や、言葉のテンポなど様々な要因を考慮して決定する必要があります。


      ■字幕翻訳
      日本語は、主語・述語がはっきりとしていなくても意味がとれるという利便性がありますが、その反面、文章を最後まで読まないと意味がとれない場合もあります。 従いまして、ナレーションと同じですが、前に戻って見直せない(聞き直せない)ということを考慮して翻訳する必要があります。


      例えば、 「この電車は、名古屋、静岡、熱海、横浜に止まります。」という文章を、タイミングの関係で2つに分けたとします。「この電車は-」「名古屋、静岡、熱海、横浜に止まります。」となって、最後の「止まります」を読むまで電車が止まるという事がわかりません。 JRのナレーションにもありますが、そのために「この電車の止まります駅は、名古屋、静岡、熱海、横浜です。」になっている訳です。これだと2つに分割しても、最初の画面で何についての文であるかが理解できます。


      また、外国語から日本語に訳した時に、極端に短くなったり、長くなってしまうことがあります。この場合は、音声の発せられているタイミングに合う様に文章を変えてしまうことも必要です。ですから、原稿から訳ができればそれで字幕原稿が完成したということでなく、そこから字幕翻訳が始まると言っても良いでしょう。


      画面の時間を計って、それに合う様に翻訳し直しても、実際に挿入してみると、テンポがしっくりしなかったり、様々な微調整が必要になってきます。字幕編集は、1画面ずつ挿入時間とタイミングを決めて、それを見直しては修正するという実に根気の必要な作業です。


      実際の画面の映像に合わせて、横書きや縦書きを併用する等、映像の邪魔にならない工夫も必要です。また、複数の画面に分ける場合は、次の画面に続くという意味で「-」を文の最後につけておくのが一般的です。


      自作されました原稿で、当社へ字幕挿入の依頼をされる場合は、タイムコードと字幕原稿をTAB区切りのテキストファイルにして下さい。


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    • 英語字幕

      日本語に比べると漢字による視覚的情報が少ないので、より的確な文章にする必要があります。


      ■1行25〜40文字で2行以内

      日本語字幕と同様に、2行までが限界です。また、字数の制限は特にありませんが、文字数の多い単語が入ると文章の物理的長さが長くなり、どうしても複数の画面に分ける必要が出て来ますので、タイミングに注意して翻訳することが必要です。
      画面の左右一杯に文章が入っていると読みにくいものです。できれば長文を避けていくつかの文にしてしまう方が読みやすくなります。


      見慣れない固有名詞などは、時間の余裕を持たせて出画する必要があります。


      また、海外の映画祭などで字幕付作品であっても、開催国の母国語ではないケースが考えられる場合は、出画タイミングを長めにしておく方が良いでしょう。


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