モヒカンとハンガリ ギュウとチュウ 篠原有司男 と 榎忠
篠原有司男(1932年生れ)と榎忠(1944年生れ)は、2007年秋、豊田市美術館で展覧会を開いた。ギュウちゃんこと篠原有司男は、世界最大のバイクの彫刻、展示室の壁面を覆い尽くす巨大絵画を発表、エノチューこと榎忠は、機械加工された鉄のパーツを積み上げたり、FALCON-C2H2と命名した大砲、廃棄され再生される寸前の35ミリフィルムのパトローネを使ったインスタレーションを発表。この映像では展覧会に向けた制作をアトリエから美術館の展示室まで追い、ロングインタビューを交え、彼らの作品に対する情熱と作家像に迫る。
情報の行き交う現代、若手と呼ばれる作家の展覧
会もスマートなものが多くなってしまったが、「ギュウ・チュウ」の展覧会は忘れていたエネルギーとアーティストとしての「やんちゃ」な心意気
が炸裂している。「君たち、こんなこと忘れてたんじゃないの?」と言わんばかりのキョーレツなメッ
セージを遊び心を越えて全力投球したのは、もう若手ではない2人なのだ。その個性を根気強く丁寧に追いかけた監督青木兼治の精力的ドキュメンタリー。モヒカンとハンガリの躍動的歴史の貴重な記録として、さらにはこの映像からあふれ出るパワーが未来の文化へ大きな影響を与える事は避けられない。
岸本康
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モヒカンとハンガリ ギュウとチュウ 篠原有司男 と 榎忠 監督・青木兼治 |
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