2010年9月1日をもちまして、
DVD販売を終了いたしました。
「やられたなぁ。」
2005年、モントリオールの映画祭で初めてこの作品を見た時の私の感想だ。
本作品は、カンパニーを率いるロイド・ニューソンが手がけたDV8の4作目の映像作品であり、監督デビュー作である。ダンスカンパニーならではの考え抜かれた美しさが強く迫り、具体的でありながら様々なひらめきを与えてくれる映像だ。DV8は、視覚的なメディアであるダンスと映像が互いにどのように高まり合うことができるかというテーマを追求している。是非日本でも紹介したいと帰国後すぐに問い合わせた結果、本国イギリスより早いDVDの発売となった。
ダンスの好きな方は勿論、演劇、映像、美術、音楽、全ての芸術ファンと映像の作り手にご覧いただきたい。(2005.12 岸本 康)
ストーリー
イギリスの昔ながらのリゾート地、ノーフォーク沿岸のクローマー。夏の行楽シーズンが終わりに近づき、閑散とした空気が町を漂う。ストリート・パフォーマーのエディーとデヴィッドは、そんな現実に幻滅している。エディーは鼻っぱしが強く、正義感にあふれる正直者。デヴィッドは足のないダンサーで、彼を見ていると、優雅であるとか完璧であるとはどういうことなのかを考えさせられる。デヴィッドは穏やかな性格だが、体の障害や社会の偏見には屈しないとかたく決意している。交錯する場面を通して、エディーとデヴィッドが人生と折り合いをつけ、人々との出会いと別れをくり返しながら、一日一日を生きていく姿が描かれる。
DV8作品のテーマの一つは「リスクを負う」である。それは、個人の生き方について、ダンスと演劇との境界を取り払うことについて、そして何よりも、意見や感情を気取らずにきちんと伝えるということである。バレエやモダン・ダンスの伝統にとらわれず、日常的な動きを用いたラディカルな構成で物語が語られる。ダンスがいかに多様かつ独自な媒体であるかを示すことで、「ダンス」の概念そのものに挑戦している。
DV8は、舞台作品に加え映像作品の制作も行う。受賞した映像作品に「モノクローム・マンの死の夢」や「ストレンジ・フィッシュ」「エンター・アキレス」などがある。
「コスト・オブ・リビング」受賞歴
第57回Raiイタリア賞(Prix Italia)TV Performing Arts部門グランプリ
第45回ルツェルンROSE D'OR映画祭・Arts&Specials部門最優秀賞
第23回モントリオール国際映画芸術祭・審査員賞、ほか多数。
Performers: Eddie Kay, David Toole, Vivien Wood, Tanja Liedtke, Rowan Thorpe,
Kareena Oates, Tom Hodgson, Jose Maria Alves, Robin Dingemans, Eddie Nixon
Conceived and Directed by Lloyd Newson
Commissioned by Channel 4 Television, UK
Director of Photography: Cameron Barnett
Film Editor: Stuart Briggs
Original Music: Paul Charlier, Jonathan Cooper, Nick Hooper
Producer: Nikki Weston
ご注意 本商品は、日本国内のみの販売となっております。
(c)2004 DV8 Films Limited MMIV